2013年9月30日月曜日

8月31日 オーストラリア キャンベラ 彼女は、なぜ泣いたのか? パート2


rockin’on 1994年 3月号
インタビュー パート2

★ 
「A NIGHT TO REMEMBER」では
以前の元気いっぱいの女の子が大人になって
しかも何処と無く頼りなげな姿が感じられるのですが。

シン
「あの頃は凄く大変な時期だったの。
デヴィッド・ウルフ
(彼女をデビュー以前から支えてきた最大のパートナー)と別れて
その上、顎の腫瘍を除去する手術をした直後で
顔に歯止めを付けてないと
もう歌も歌えないかも
知れないって言われてたの。
それで結構ボロボロになってた。
あのアルバムの
レコーディング中に初めて
あの歯止め無しに歌った日の事は
よく覚えてる。
唇が上手く動かせなくて。
それといろんな人と衝突したわ
特に当時のアメリカの
A&R担当者と。
私はこれをやりたい。
それはどうかなぁ?
これをやるべきだよ。
でも私は嫌だわ…なんてね。
でもね
とにかくあのアルバムは
今作に至る為にも必要な
アルバムだったのよ。
今作では
また私は喜びを見出せたから。
前作では失ってた喜びをね。
でもとにかく私は
自分が感じた通りを
正直に表したわ。
あの作品では自分の声域の
低音部分を主に使った。
ファーストでは中間部分
セカンドでは高音部分
サードでは低音部分
そして今作では私の声域を
フルに使ったのよ。(笑)
それでいいと思うの
それが成長というものでしょ。
ある地点に行き着く為に
通過しなければいけない地点も
あるという事ね。
今現在
この扉の地点迄達した私にとって
可能性は無限大よ。
今では自分自身を理解しているし
ライターとして自分の声を
再発見したし
創造という事において
私がやるべき事は
何でもやれるって自信もついた。
不思議よね
小柄のせいなのか
女だからなのか
私みたいなアーティストが
自分で何でも
やってしまうなんて。
曲を書いて
プロデュースして
アルバムカバーや
ビデオに迄、関わって。
自分で見聞きした事を
そのまま全部やってしまうって
大切な事よ。
凄いわよね(笑)。
もちろん凄い葛藤も伴うけど
素晴らしい瞬間というのも
あるの。
同族精神みたいな物を
出したかったのよね。
それをタイトルにしようと
思ってたの。
それってつまり愛
いろんな女性
男性でもいいのよ
とにかくいろんな人達が
どんな事を感じて
朝から夜を過ごし
また朝を迎え…という
そこに思想が感じられて
自分でも納得してたんだけど
途中でよそ道にそれて
タイトルも
「A NIGHT TO REMEMBER」に
してしまったの。
それで曲も結局
夜の様な歌ばかりに
なってしまった。
自分では外しておけばよかったと
思う歌も幾つかあるのよ。
でも夜に集点を当ててた訳だから
自然と夜の様に暗いアルバムが
出来ちゃったわけ。
まあ、私もいろいろ変化を
経てきたけれど
あの二枚のアルバムは
私にとっては
大荒れの時期だったわね。
今作とファーストの二枚は
私のとてもハッピーな時期に
出来たのよ。」

★ そこに収められている
"UNCONDITIONAL LOVE"は
私の大好きな曲なのですが
ここでは究極の愛が
歌われていますよね。
こういう歌を歌うのは
実はかなり
勇気のいる事ではないかと
思うのですが。

シン
「あれは元々『バイブス』という
映画の為に書いた曲なの。
守護者、天使についての
お話だったんだけど
天使って究極の愛
それにまつわる行為を
理解しているでしょ。
まぁ、まず天使の存在を
信じてなければ
しょうがないけど。
それとあれは
デヴィッド・ウルフに
向けた曲でもあるの。
"UNCONDITIONAL LOVE"というのは
最上の愛の形でしょ。
他人に何のルールも
押し付けない
これをあげるから
あれを頂戴って
いうもんじゃないの。
子供や動物の方が
そういう愛を持ってるかもね。
駆け引きとか協定とか
ないでしょ?
あっ、でも私の猫は例外かも(笑)
エサが貰えると思うと
私に擦り寄って来るもの。」

★ (笑)で、今作なのですが
オノ・ヨーコにインスパイア
されたというのは?

シン
「そう、三枚目のアルバムの後
私はもう絶対この仕事を辞めてやるって思ってたの…」

次回、パート3に続く

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